起伏のある景観が美しい庭園
江戸の二大庭園の一つとして現在でも高く評価されているのが東京都文京区にある六義園です。
六義園は今から300年ほど前の江戸時代に作られた大名庭園の代表的な存在と位置付けされています。
六義園を作ったのは柳沢吉保という人物で、徳川綱吉の御側御用人として活躍した人物です。
御側御用人とは将軍様の側近という立場にある人物のことで、徳川綱吉から大きな信頼を寄せられていた人物だとされています。
元々は平坦な土地だったそうですが、柳沢吉保自らが指揮をしながら土を盛ることで丘を作り、水を引いて池を作りました。
7年間もの歳月をかけて完成させたのは、現在でも高い評価をされている回遊式の築山泉水庭園だったのです。
ちなみに六義園という名前が付けられた由来は、古今和歌集に登場する六義(むくさ)という和歌の形態に由来しています。
完成した六義園には、柳沢吉保の主君である将軍綱吉公が何度も御成になったそうです。
その後、明治維新を迎えて以降は十分な手入れをされることがなく荒れ果ててしまったそうですが、三菱財閥を築いた大富豪の岩崎弥太郎が購入したことで以前のように整備されるようになりました。
関東大震災や太平洋戦争時の空襲等の影響をほとんど受けることもなく、美しい姿を現在でも保ち続けています。
見どころ
六義園で春の訪れを感じさせてくれるのが枝垂れ桜です。
毎年3月末頃になると枝にびっしりと花が付いた桜を楽しむことができます。
滝が流れているようにも見える枝垂れ桜がとても見事だとして、多くの人が訪れています。
夜になるとライトアップされて昼間とは異なる夜桜を楽しむこともできます。
秋に紅葉の季節を迎えた時にもライトアップされますので、それぞれ異なる光景を楽しむことも可能です。
中の島にある築山を妹山・背山と呼んでいます。
昔の人は女性の事を妹、男性を背と呼んでいたことから、男女間を表現している築山だとされています。
中の島へ立ち入ることはできませんので、対岸から景色を眺めることになります。
つつじ茶屋は明治時代に作られた建物です。
岩崎弥太郎が六義園を購入してから作られたもので、ツツジの古木材料を活用して建築されたものです。
関東大震災や戦争の被害も受けずに現在まで建築当時のまま姿を残していることから、希少価値が高いとされています。
利用案内
駒込駅や千石駅から徒歩で10分くらいの距離です。
駐車場は特にありませんので、公共交通機関を利用することをおすすめします。
開園時間は9時から17時までですが、ライトアップされる期間中などは開園時間が延長されています。
入園料は一般の方は300円、小学生以下や都内に在住している中学生は無料になります。
みどりの日と都民の日については料金がかからずに開放されていますので、お気軽に園内を散策してください。